DESIGNER

岡田訓明の日々の徒然ブログ
『ジュエリーデザイナーの嗜み』

『つやふきん』

『つやふきん』

雑記

銀座1丁目にある佐々木商店の画像

つやふきんは「銀座一丁目『佐々木のつやふきん』と申せば誰方様も昔から御存じの艶出しふきんで御座います……」なんて粋な説明文が入っている木製品をピカピカに磨く布のことです。
この「つやふきん」は木製品をピカピカにするワックスで化学材ではなくイボタロウカイガラムシのオスの幼虫が分泌する蠟を木綿布に浸みこませてあります。

現代の磨きクロスやコンパウンドは表面を削って艶を出すのに対して「つやふきん」はイボタ蠟を表面に塗り込んで艶を出すという佐々木商店だけが創業以来(明治元年)販売し続けている布巾です。
見た目はただの黄色い布巾で匂いもベタつきもなく、こんなものでピカピカになるものか?と思う代物ですが昔から箪笥、床の間、琴や三味線など様々な木製品を磨く布巾として重宝され、今でもパイプや将棋駒など愛好家の間では知る人ぞ知る名品です。

銀座1丁目の佐々木商店に売っているつやふきんと木軸ペンの画像

佐々木商店の「つやふきん」で木軸のペンを磨く。

但し、「つやふきん」で磨いたからといって直ぐにピカピカになるものではなく、毎日手入れをし愛着を持って道具を育てる手助けとなる、そんな布巾なのです。
趣のある、後世まで受け継がれて欲しい銀座の名品です。

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