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岡田訓明の日々の徒然ブログ
『ジュエリーデザイナーの嗜み』

プラチナとホワイトゴールド

プラチナとホワイトゴールド

雑学雑記

デザインが決定し地金素材をプラチナにするかホワイトゴールドにするかで悩まれる方がいらっしゃいます。
今ではプラチナより金の価格の方が高い逆転現象が起こっているものですから、昔のようにホワイトゴールドで作った方がお得感があるといったこともありません。
それぞれの貴金属には特性がありますので、作るデザインやアイテムによって決めるのが良いのではないかと思っています。

例えば、プラチナはホワイトゴールドよりも比重が高いので、同じデザインのものを作った場合は重くなります。しかし、ブローチなどは軽い方が洋服への負担が少なくてすみますし、ボリュームある幅広のリングなども軽い方が良いのではないでしょうか。
このような場合はホワイトゴールドをお勧めしますが、逆に細い華奢なリングなどはプラチナで重みを持たせた方が存在感を与えます。プラチナは地金の色が変色しないという利点や希少価値がある貴金属でもあります。また、プラチナ900(90%)は18金ホワイトゴールド(75%)と比べて純度が高いことも挙げられます。そういう意味合いから、ブライダルジュエリーはプラチナ製品が多いものと思われます。但し、プラチナ900は18金ホワイトゴールドに比べ柔らかい素材である為、変形しやすいといったデメリットもあります。

18金ホワイトゴールドは、配合する金属によって色を白くしていますが、それでも少し黄色味を帯びていますので、完成されたジュエリーには鍍金を施します。使用しているうちに擦れて鍍金が剥がれ地色が見えてきますが、再鍍金をすることで元通り真っ白になります。
また、鍍金すると割れてしまう宝石というのもありますので、これらの石の付いたジュエリーはプラチナで加工した方が良いということになります。

希少性ということでは、これまでに発掘された金の総量はオリンピックの公式プールの約3杯分、プラチナでは6メートルの立方体にも満たない量で、その約60%は工業用途に使用されていることですので、ジュエリーに使用されている量は本当に少ないというのも驚きです。

ジュエリーデザイナー岡田訓明が「金とプラチナ」について行うセミナーの資料の写真

あれこれ難しいことを書きましたが、プラチナにするかホワイトゴールドにするかは私でも悩みますので、皆さんはもっと悩まれることでしょう。

ユンヌピエールアンプリュスでは「金とプラチナの雑学セミナー」も行っております。
随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にお申し付けくださいませ。

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