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岡田訓明の日々の徒然ブログ
『ジュエリーデザイナーの嗜み』

花は盛りに

花は盛りに

雑記

以前読んだ小説の中に「ひけらかさない美学」というフレーズがありました。
茶道のことを例えた文章で内容まで明確には覚えていませんが妙に共感出来たのでその言葉をメモしていました。
「これ凄いでしょ!」如く訴えかけてくるものには、どうも自分の美学に反しているように思えてなりません。

「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。雨に向かひて月を恋ひ、垂れ籠めて春の行方知らぬも、なほあはれに情け深し。咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ」こちらは枕草子の「花は盛りに」の一説です。
現代語訳では「花は満開のときだけを、月は雲りがないのだけを見るものであろうか、いやそうではない。降っている雨に向かって(見えない)月のことを慕い、すだれを垂らして室内にこもり春が移り行くのを知らずにいるのも、やはりしみじみとして情趣が深い。今にも咲きそうな梢、花が散ってしおれている庭などにこそ見るべき価値がたくさんある」となるそうです。
いやはや何とも奥ゆかしい文章です。
日本人は昔からこういった完全でない美しさという美学を持っています。
効率だけを求めた今の世の中にはない考え方に思えます。

時代遅れなのかもしれませんが、そんなことをふと思った次第です。

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