ギリギリまで迷ったものの、結局今回の日記帳もモレスキンを選びました。ここまでずっとモレスキンを使い続けてきたのに、いまさら別のノートに乗り換えるのもどうかと思ったのです。

ただ、この新しい一冊を前にして、ふと考えてしまいます。――「日記を、いつまで続けるのだろうか」と。

気がつけば、書き始めてからもう11年。ほぼ毎日ペンを動かしてきたこと自体、我ながらよく続いたものだと思います。日記は単なる記録以上のもので、迷ったときに振り返れば自分の思考の足跡が残っているし、何気ない日常の断片が後になって宝物のように思えることもあります。その意味では、日記は確かにかけがえのない存在でした。

けれども同時に、日記は「続けること」そのものが目的になってしまう瞬間もあります。書くために一日を区切り、出来事を言葉にまとめ、時には「今日も書かなくては」という小さな義務感がつきまとう。11年という一区切りに達した今、そろそろ手を止めてもいいのかもしれない――そんな気持ちが芽生え始めています。

近い将来、愛媛への移住は、その区切りにちょうど良いタイミングかもしれません。新しい土地での生活を、あえて日記に残さずに体験そのものを味わう。過去を振り返るよりも、目の前の時間をまっすぐ受け止める。そんな日々の過ごし方も悪くない気がしています。