
珈琲の香り
若い頃は珈琲が苦手でした。両親が珈琲好きで、毎朝サイフォンで淹れていたのですが、漂う珈琲と煙草の混ざった匂いが苦手で、敬遠していたのかもしれません。ところが、大学を卒業する頃から自然と珈琲を飲むようになり、今では毎日欠かさず楽しんでいます。以前は苦味の強い珈琲が好みでしたが、最近は「とにかく苦ければ良い」という考え方から少しずつ変化してきました。
生豆を焙煎すると、芳ばしい香りが広がります。初めて焙煎したときは、「これが珈琲の香りなのか?」と驚きました。豆を挽けば、さらに豊かな香りが楽しめます。珈琲の香りは焙煎する時の香りは「フレグランス」、抽出時の香りは「アロマ」、口に含んだ時の香りは「フレーバー」と呼ばれています。
焙煎は一度に100gを目安に行うため、およそ5日でなくなります。焙煎作業は10分ほどで終わりますが、炒った豆を冷やしながらチャフ(薄皮)を吹き飛ばす作業が少々手間です。チャフは焙煎中の豆が乾燥したタイミングで取り除くか、生豆の段階で水洗いをしておくと、味に雑味が出にくくなるそうです。
珈琲の世界は奥が深く、知れば知るほど魅力が増していきます。